水と緑きらめく暮らしを次の世代へ

  • 深沢流域を視察して・・・

    (2026年7月6日午前)

     (仮称)大滝山風力発電の事業者と大滝沢・二ッ森原生林を守る会のご案内で、深沢流域の現地を視察しました、深沢の谷間は両側を急峻な斜面に囲まれた地形であり、特に東側は岩盤が大きく露出し、風化によって砕けている箇所が多数確認されました。地元住民からも「東側は雨が降ると土砂が崩れるのが早い」との証言があり、土砂流出リスクが極めて高いことが裏付けられました。ヒノキアスナロが植生する水源涵養保安林でもあることから、事業者は東側への風車設置を中止したとみられます。一方、西側斜面は東側に比べて傾斜が緩やかで、地元住民からは「水質が東側より良好である」とのことでした。その尾根上に風車の建設が計画されており、全域で34基の風車群が尾根上に並ぶ構造となっています。

    深沢(中間地点)の東側の急峻な斜面、地質は岩盤
    深沢(中間地点)の更なる上流
    風車設置個所(概略図)

     風車の配置は深刻な低周波音の問題を引き起こします。風車の低周波音が山肌で反射し、干渉しあい、増幅する可能性が高いと思われます。これは、動物や人間に健康影響を引き起こすことが危惧されます。

    風車の回転で発生する低周波が届く範囲(大滝沢・二ッ森原生林を守る会の独自調査)

     さらなる重大問題は、尾根上の地形は、岩盤が露出し、風化によって割れ目が多く、平坦地がほとんど存在しないため、風車の基礎工事は硬い岩盤を削って基礎を造ることになり、その困難さゆえに現実的ではありません。加えて、頂上まで大型クレーンやブレード輸送車両を搬入することは物理的に不可能であり、施工技術上の成立性は極めて低いと思われます。

     そして、風車の運転終了後(20年後)に基礎コンクリートが撤去されないということも大問題です。大滝山頂上のような岩盤地形で基礎の撤去工事を行うことは、山塊そのものを破壊する危険行為であるため、撤去は不可能です。結果として、巨大なコンクリートの構造物が永続的に山頂に残され、地下水の流路変化、凍結破砕による崩落増加、景観の不可逆的損失など、長期的な環境影響が避けられません。将来的に事業者が撤退した場合、残置された基礎は自治体の負の遺産となる可能性が高いのです。

     以上を総合すると、深沢流域および大滝山周辺における風力発電計画は、谷間地形における低周波音の増幅、大滝山頂上の施工不可能性、基礎撤去不能による長期的環境負荷など、重大な問題を抱えています。これらの点を踏まえ、事業者に対して詳細な地質調査、低周波シミュレーション、撤去計画の提示を求めるとともに、地域住民の健康と自然環境を守る観点から、計画の再検討を強く求めます。

    深沢沿いに林道を車で登り、アスナロの水源涵養保安林まで視察しました。

    深沢(中間地点)の西側の斜面
    石筵ふれあい牧場付近からのフォトモンタージュ(JR東日本エネルギー開発株式会社作成)
    林道は軽トラックがようやく通れる幅員
    クマ対策の花火を数発打ち上げた後、倒木などをチェーンソーで避けて進む
  • 大滝山風力発電事業の中止を求める署名活動に御協力ください!

    下記のリンクより署名用紙をダウンロードのうえ、署名活動へのご協力をお願いいたします。

  • 住民説明会で浮き彫りになった「説明不足」と「行政意見の軽視」

    (仮称)大滝山風力発電事業 の事業説明会

     2024年5月17日、ユラックス熱海でJR東日本エネルギー開発㈱による「(仮称)大滝山風力発電」事業説明会が開催されました。参加された市民の証言から、2024年の説明会で何が起きたのかが明らかになっています。説明は約1時間半でした。しかし、2022年4月25日に経済産業省が公表した環境大臣意見で厳しく指摘された重要事項が、説明資料に記載されていないという重大な問題が浮き彫りになりました。
     行政意見が求めた論点は三つです。第一に、複数の生息が確認されているクマタカへの影響と生態調査の配慮です。しかし事業者は、生態調査の再実施について説明はなく、答えていません。第二に、二次林の生態系や水源かん養保安林への影響です。環境大臣意見では「現状計画では土工量が著しく多い」と明記され、設計の再検討を強く求めています。それにもかかわらず、事業者の回答は「最小化するよう検討している」と抽象的で、具体策は示されませんでした。第三に、磐梯朝日国立公園からの眺望景観への配慮です。行政意見は国立公園の眺望に重大な影響があると指摘していますが、説明会では石筵ふれあい牧場とJR中山駅からのフォトモンタージュのみで、本質的な検証は示されませんでした。
     ご参考までに、環境大臣の意見は、「本事業は、安達太良山の山頂からの眺望景観について、主要な眺望方向に34基の風力発電設備がスカイラインを切断し、複数尾根上に広範囲に視認され、また、磐梯山の山頂からの眺望景観についても、主要な眺望方向に22基の風力発電設備がスカイラインを切断し、稜線上に広範囲で視認されることから、これらの磐梯山の山頂及び安達太良山の山頂からの眺望に対する重大な影響が懸念される。」と述べています。
     また、一部で「ヤジで説明が妨害された」との言説がありますが、市民証言では明確に否定されています。説明中に妨害はなく、事業者側が「ご理解をいただいている」と述べた後、参加者が「石筵地区は反対決議を出している」と事実を述べただけです。その後、質疑が続いていたにもかかわらず、事業者側が「時間切れ」として退出し、これに対する抗議の声が上がったものです。
     さらに、石筵地区で2023年に行われた説明会での住民質問にも、事業者は「調べています」と答えたまま、いまだ返答がありません。説明責任は果たされていないと言えます。
     私たちは行政意見の徹底反映、情報公開、住民参加の保障、そして丁寧な説明を市と事業者に強く求めていきます。

  • 国は「このままでは認められない」と勧告

    大滝山風力発電事業――知事意見にも反する“説明不足”と、国の厳しい評価が示す深刻な問題

    大滝山・二ッ森周辺で計画されている大規模風力発電事業をめぐり、2022年に示された知事意見と経済産業大臣勧告は、いずれも極めて厳しい内容でした。水源涵養保安林の伐採、大規模な切土・盛土、生態系への影響、土砂災害リスク、景観への影響など、多岐にわたる重大な懸念が指摘され、事業者には「抜本的な見直し」が求められています。

    特に知事意見では、環境影響評価図書について「縦覧期間終了後もインターネットで閲覧可能とすること」と明記されています。しかし現状、大滝山風力発電事業の準備書・要約書・説明資料はウェブ上に一切公開されていません。住民が内容を確認できない状態は、知事意見の趣旨に反する不適切な対応であり、情報公開と住民参加の原則を損なう重大な問題です。

    一方、経産大臣意見書では、土工量が「著しく多い」、水源涵養保安林への影響が大きい、生態系への影響が重大など、事業計画そのものに根本的な問題があると指摘されています。特に「改変区域が大きく変わる場合は再評価を行うべき」との文言は、事実上「このままでは認められない」という国の姿勢を示すものです。

    こうした厳しい行政意見があるにもかかわらず、住民説明会では水源への影響、クマタカなど希少種の保全、生活環境への影響など、行政意見で求められた重要項目について十分な説明が行われていません。市民からは「なぜ行政意見が反映されていないのか」「なぜ資料が公開されないのか」という声が相次いでいます。

    さらに、大滝山だけでなく、そして会津側の背炙り山でも高さ200mの巨大風車を50基建てる巨大風力発電計画が進行しており、8900筆の反対署名が会津若松市に届けられていますが、猪苗代湖を取り巻くように風車が林立する巨大風力ベルト化が危惧されています。磐梯山からの眺望が大きく損なわれる可能性も否定できません。

    私たちは、知事意見に反する情報非公開の問題、国の厳しい評価、そして地域全体の自然と景観への影響を市民に正確に伝え、市に対して説明責任と住民参加の徹底を強く求めていきます。

  • (仮称)大滝山風力発電事業

    (仮称)大滝山風力発電事業をめぐる深刻な懸念

     大滝山周辺で計画されている大規模風力発電事業について、2022年の知事意見・経産大臣意見では、眺望景観、生態系、水源涵養、災害リスクなど多岐にわたる重要な配慮事項が事業者に求められています。しかし、その後の住民説明会では、これらの論点が十分に説明されていないことが明らかになっています。

     とりわけ深刻なのは、地域住民が長年守り育ててきた大滝沢・二ッ森原生林への影響である。水源かん養保安林を含む区域で大規模な切土・盛土が行われれば、深沢の名水の水質悪化や濁水流出、土砂災害リスクの増大が懸念される。地域の生活と観光を支えてきた水の価値を考えれば、影響は計り知れません。

     また、絶滅危惧種クマタカをはじめとする生態系への配慮も不十分だ。営巣地調査の結果、飛行ルートと風車配置の関係、バードストライクのリスク評価、基数削減や配置変更などの代替案――いずれも行政意見で求められたにもかかわらず、住民説明会では具体的な説明がなされていません。

     さらに、工事車両の大量通行による交通安全の悪化、34基稼働時の低周波音の健康影響、強風時のブレード破損リスク、風車解体時の森林伐採や産廃処理の問題など、生活環境への影響も大きい。郡山市が掲げる「豊かな自然と水、魅力のある郡山」という理念とも明らかに矛盾します。

     大滝沢・二ッ森原生林を守る会は、こうした懸念を踏まえ、市に対し事業中止を強く求めている。福島市が先達山メガソーラー問題を受け「立地市町村長の同意」を国に提言したように、郡山市も住民の声に基づく明確な姿勢を示すべき時に来ている。

     私たちは、住民の安全と自然環境を守る立場から、行政意見で求められた説明が尽くされないまま計画が進むことに強く懸念を表明し、引き続き情報公開と住民参加の徹底を求めていきます。

    2023年7月23日 石筵地区事業説明資料より抜粋

    Bラインの工事概要

    計画の概要
    Bラインは当初の8基から7基に変更、上図はB-7の若干の位置変更を表している
    尾根を削り造成された風車ヤードの排水は西側に流す。管理用道路は盛土上に敷設されるが、20年経過後には風車は撤去されるが、風車ヤードは放置される。また、不要になった管理用道路も土砂にうずもれることになる。
    尾根を削って造られた風車ヤードから、雨水が短期間に深沢の上流に流れることになり、水質の劣化が危惧される。
    Bラインの原稿案(C案)は盛土の量が増えており、土砂崩れなどの危険性を増している。

    低周波の問題

    景観の問題

    石筵ふれあい牧場からのフォトモンタージュ、二ッ森から北のBラインの他、西側のAラインが見える
    熱海小学校石筵分校グランドからのフォトモンタージュ、二ッ森から南側のCラインが見える。大滝山のAラインはここからは見えない。

  • 大滝山風力発電計画について日本共産党神山悦子県議が質問

    2026年2月県議会での神山悦子県議の総括質問より抜粋

    大滝山風力発電計画について


    神山委員
     JR東日本エネルギー開発株式会社は、郡山市熱海町と猪苗代町にまたがる大滝山の稜線に、風力発電機35基、 1万3千Mのメガ風力発電を計画しています。
     郡山市熱海町は、磐梯熱海温泉や名水を利用したそばなどがある観光地です。地元住民からも、建設反対・中止を求める要望書が郡山市に提出されています。実の環境影響評価書の知事意見にもあるように、「緑の回廊」がある(仮称) 大滝山風力発電事業については、飲み水や自然環境への影響が懸念されるため、計画中止を国に求めるべきですが、県の考えを尋ねます。

    生活環境部長
     (仮称)大滝山風力発電事業につきましては、環境影響評価法に基づく手続の中で、地元自治体の意見を踏まえ、国や事業者に対して、自然環境保全への十分な配慮等を求める意見を述べてきたところでおります。
     事業者においては、こうした意見を踏まえ、適切に対応していただきたいと考えております。

    神山委員 
     福島市の馬場市長は、昨年12月23日、国に対し、先達山のメガソーラー問題で明らかになった教訓を踏まえた施策や制度とするよう提言・要望書を提出しています。
     大規模再エネ電設備を規制する条例を制定すべきと思いますが、県の考えを尋ねます。

    企画調整部長
     再エネ発電事業につきましては、関係法令等を遵守し、地元の理解の下、安全や環境、景観に十分に配慮し、実施されることが重要であります。そのため、国において、地域と共生した再エネ導入を促進するため、法令を改正し、制度的な対応が図られており、当該制度が適切に運用されることが重要と考えております。

  • (仮称)大滝山風力発電事業の中止を求める運動について

    大滝沢・二ッ森原生林を守る会について

    大滝沢・二ツ森原生林を守る会は、郡山市の石筵地区で(仮称)大滝山風力発電事業の計画に反対する運動を進めています。リンクからアクセスしてご覧ください。なお、同会が事業計画に反対する理由についてもご紹介しています。

    全国再エネ問題連絡会 – 自然破壊を伴う再エネ開発に取り組む住民団体のネットワーク

    全国でも風力発電の問題が大きく取り上げられています。全国再エネ問題連絡会のサイトをご覧ください。

    尾根筋風力発電は国土を破壊する

    メガソーラーによる森林破壊が問題になり、規制が本格化されています。しかし、森林破壊の影響は尾根筋に建設される巨大風車郡の方がはるかに大きく、流域全体や海まで影響する大環境破壊になります。 尾根筋風力発電にも開発規制を! 山梨大学名誉教授の鈴木先生にわかりやすく解説している動画をご覧ください。

    「知事意見」と「配慮書に対する経済産業大臣意見」について

    2022年3月の知事意見、2022年4月の「配慮書に対する経済産業大臣意見」では森林や絶滅危惧種、水質の保全等について、適正と思われる意見が提示されています。事業者側がその意見に忠実に従うならば、事業を中止せざるをえないのでは?と考えます。(遠藤 隆)

    知事意見

    配慮書に対する経済産業大臣意見

    (仮称)大滝山風力発電事業計画について

    同事業計画の概要及び進捗については、福島県のウェブページより抜粋してご紹介します。

    事業者 :JR東日本エネルギー開発株式会社 磐栄運送株式会社
    事業の実施区域: 郡山市と猪苗代町の行政界付近に位置する大滝山を含む山稜上
    事業の規模: 出力最大136,000kW(定格出力4,300kWの風力発電機を35基設置)

    同事業の進捗状況は以下のとおりです。

    • 配慮書(2017):意見33件
    • 方法書(2018):説明会4回
    • 準備書(2021):コロナで説明会中止 → 縦覧期間延長
    • 知事意見(2022):通知済み
    • 評価書:未公告(=まだ最終確定していない)

    郡山市は昨今のクマ出没と被害について、一連の風力発電事業による「緑の回廊」の棄損に起因するものかどうかを、福島県の自然保護課に調査を要望すべきである。

    ご参考 評価書が出るまで住民・自治体ができること

    段階目的住民・自治体ができること重要度
    配慮書立地の妥当性の初期検討立地そのものへの意見★★★★★
    方法書調査方法の決定調査範囲・方法の指摘★★★★☆
    準備書調査結果+影響予測具体的な影響への意見★★★★★
    知事意見県の公式評価市として県に要望可能★★★☆☆
    評価書最終版ほぼ意見不可★★☆☆☆